仕事は楽しいかねは仕事や人生をもっと楽しみたい人におすすめ
『やりたい仕事をしているはずなのに満たされない』
『あの人が成功したのは実力じゃない。運が良いからだ…』
『このまま自分の人生は終わってしまうのか』…
『仕事は楽しいかね?』は、そんな不安を感じている人におすすめしたい一冊です。
この本を読むことで、仕事に対する不安の解消方法を知り、日常の退屈から解放されるためのヒントをくれるでしょう。
そして成功している人を運が良いと羨ましがる考えを痛快に論破し、あなた自身が楽しく生きるために何をすればいいか教えてくれます。
「このままでいいのか」と不安になり、「つまらない…」と落胆し、「自分は運が悪い」と嘆くまえに、ぜひ『仕事は楽しいかね?』を読んでみてください。
仕事は楽しいかねから学べること
『仕事は楽しいかね?』の主人公は安定した仕事に退屈を感じながらも、夢や目標に向かって生きることに不安を抱いている「私(名前は明かされません)」。
その「私」が、偶然出会った老人から教えをうけることで人生が変わっていく物語です。
老人は「私」にさまざまなな教えをあたえてくれます。
仕事を、そして人生を楽しくする方法を。
例えば次のような言葉が語られます。
「多くの人が“計画どおりの結果になるものはない”という使い古された決まり文句にうなずくのに、相変わらず大勢の人が計画を立てることを崇め奉っている。」
「とかく人は他人の成功を見て、成功とはどうやって手にいれるものなのか理解しようとする。(中略)だけど、やっぱりこの問題がある。小説を研究しても小説家になれないように、成功を研究しても成功は手に入らないという問題が。」
老人の言葉を受けて、自分がこれまでに何をしてきて、何をしてこなかったのかを理解し、これから何をすべきかがみえてくるでしょう。
そして、うまくいっている人は新しい考えを受け入れ、何にでも挑戦してきていることがわかります。
決して「運がいい」のではなく、挑戦の結果、多くの人々の目の前を通り過ぎている素晴らしいアイデアに気づいているだけだと。
また本全体を通して、老人の話に例として取り上げらえる有名な商品(例えばコカコ-ラの創業秘話など)、偉人などの話が知的好奇心をクスぐります。
「なるほどそうだったんだ!」と知識欲を満たして最後まで楽しく読める作品です。
仕事は楽しいかねの奥付き情報
- ジャンル:自己啓発/ビジネス・経済/社会学
- 出版社:きこ書房
- 著者略歴:デイル・ドーテン Dale Dauten
アリゾナ州立大学大学院(経済学)卒業後、スタンフォード大学大学院で学ぶ。1980年、マーケティング・リサーチ専門会社、リサーチ・リソーセス(Research Resources)を起業し、マクドナルド、3M、P&G、コダックなど大手優良企業を顧客に持つ全米でもトップ・レベルの会社にまで成長させる。1991年、新聞に執筆したコラムが好評を博し、執筆活動を開始。現在米国を代表する人気コラムニスト。氏が執筆するコラムは、100社以上の新聞社に配信され、毎週1000万人以上に愛読されている。執筆活動のかたわら、企業講演、従業員訓練やキャリア・セミナーを主催し、意思決定論、人材育成、キャリア・アップによる能力開発や成功をテーマに独自の理論を展開している。
- 訳者略歴:野津 智子(のづ・ともこ)
翻訳家。獨協力大学外国学部フランス語学科卒業。主な訳書に、『夢は、紙に書くと現実になる!』(PHP研究所)、『シンクロニティ』『会議のリーダーが知っておくべき10の原則』(以上、英治出版)、『外資系キャリアの出世術』『スタンフォード・インプロバイザー』(以上、東洋経済新報社)などがある。また、『魔法があるなら』(PHP研究所)をはじめ、心あたたまる小説の翻訳も手がけている。
- 出版年:2001年(第1刷発行)
「仕事は楽しいかね」の要約、あらすじ、名言など
シカゴから飛行機で帰路につくため空港に来ていた「私」(名前は明かされません)は、雪のために足止めされます。
空港で「私」は、一人の老人が子どもたちと遊んでいるのを目にしました。
するとその老人が、まっすぐ私のほうへ向かってきて腰をおろし、話しかけてきたのです。
老人は「私」のことについて、いくつか質問し始めました。「私」は質問に答えたり、上手にはぐらかしたりします。
しかし、だんだんはぐらかしきれなくなり、最後にはこう言って「私」をギクリとさせたのです。「仕事は楽しいかね?」と。
しばらく会話を続けるうちに、「私」はその老人に愚痴をこぼしていました。
仕事への不満や、夢や目標を追うことへの不安、過去の起業の失敗などを。
老人が何か話そうとしましたが、子どもたちに見つかり、彼は戻っていきました。
近くにいた女性がその老人を知っており、彼はマックス・エルモアという名で、発明家・起業家として巨万の富を築いた人物だと知ります。
「試してみることに失敗はない」
再び「私」のそばに戻った老人は、「きみの考える、成功のための戦略を話してくれ」と言います。
山ほど自己啓発書を読んできた「私」は、感銘を受けた本の内容を話し、紙にまとめました。
すると老人はペンで、その紙に大きく✕印をつけ、それを壁に貼るよう言います。
そして、二枚目の紙に「試してみることに失敗はない」と書き、一枚目の横に貼っておくように言ったのです。
「私」は困惑しました。
これまで出会った中で一番出世していた人でさえ、成功の秘訣として私が知っていたあらゆることをミックスさせていたのに。
その秘訣の代わりが「試してみることに失敗はない」だったのです。
「明日は今日と違う自分になる」
老人は、「私」が成功の秘訣の一つだと考えていた「目標の設定」を否定します。
「目標がなければ進歩の度合いをはかることができません。」と私が反論すると、老人は
「僕たちの社会では、時間や進歩に対して直線的な見方をしている。そういう見方を、学校でじわじわと浸透させるんだー(中略)目標を設定して、それに向かって努力しなさい、とね。だけど、人生はそんなに規則正しいものじゃない。規則から外れたところで教訓を与えてくれるものだ。」
と穏やかに言うのでした。
そんな老人が、いままでに掲げた唯一の目標を教えてくれます。
それは「明日は今日と違う自分になる」ということ。
簡単そうに思える目標に「私」が納得していないと見て取った老人は、
「僕のたった一つの目標は、簡単なんてものじゃない。(中略)ものすごく大変なことだ。とんでもなく疲れる方法だ。だけどわくわくするし、活気に満ちた方法でもあるんだ」。
そう言って老人はその理由を諭すように話し出すのでした。
こんなふうにして、主人公である「私」は老人から様々な教えを受け取ります。
本全体を通して「試してみることに失敗はない」とはどういうことなのか、そして「人生がわくわくする活気に満ちた方法」を知ることができます。
まるで「私」と一緒に、老人から講義を受けているような感覚で読み進められる作品です。
仕事は楽しいかねのamazon口コミ、感想
Amazonでは900件以上のレビューに対し★4.1の評価を得ている作品です。
良い評価には、次のような、仕事が楽しくない人、つまらないと感じる人におすすめする声が多くみられます。
「イヤイヤしていた仕事が楽しく今ではワクワクしています。」「今まであんなに嫌だと思っていた仕事も嫌じゃなくなってきたんです!」
「翻訳が気になる」「文章がまわりくどい」といった評価もあります。たしかに、例えば「馬かと思うような独特の笑い声」のような想像しにくい表現や、「珍しくもない考え方の月並みな言葉」といったまわりくどい表現があり、読みづらいと感じるのかもしれません。
一方でこのような良い口コミもありました。
びっくりするほど腑に落ちる 明日は今日と違う自分になる
成功の秘訣を毎日の考え方、習慣に落とし込むとどんな事になるんだろう?コカ・コーラはどのように生まれたのか?など、今や日常にあって当たり前のブランドが誕生するきっかけを例にあげわかりやすい語り口で読者に語りかけてくれる一冊。わかりやすい言葉にエッセンスがぎゅっと詰まっていて、思わず素敵な言葉にマーカーを引いて書き留めた。何回も読んで人生の指南書として役立てていきたい。
「読みやすいのに得るものが多い「チャレンジのすすめ」 「試してみることに失敗はない」という言葉をP.29で紹介し、その言葉に含まれる意味を本の後半で説明している書き方は面白いなと思いました。試すレベルで始めることで、うまくいけばOK、うまくいかなくてもそこから学べることがコストより大きければOKで、うまく試すことができれば損はないということ、試すことは何度もチャレンジできる宝くじのようなものということは何かにチャレンジするときにとても心強い考え方だと思います。
「何をすればよいのかが明確になる」
といった感想もあります。この本は本質的で、心に響くものになっているともいえます。
偉人の発明の話などをスパイスに、物語形式になっているので理解しやすく。自己啓発本として得られることがあり、読んだ後に前向きな気持ちになれる。『仕事は楽しいかね?』は、そんな魅力の詰まった作品です。
「仕事は楽しいかね」のオーディオブック、電子書籍、映画化、漫画版の有無
『仕事は楽しいかね?』は、紙の書籍、電子書籍、オーディオブックで楽しむことができます。
漫画版もあります。
有無 | 備考 | |
オーディオブック | あり | audible:あり audiobook.jp:あり |
電子書籍 | あり | |
映画化 | 無し | |
マンガ版 | あり | 『まんがで変わる! 仕事は楽しいかね?』2016年 「仕事は楽しいかね?」研究会(編集) |