書評

書評『嫌われる勇気』のあらすじと感想。

自分の人生を生きるための『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』

『嫌われる勇気』はこんなひとにおすすめ

自分に自信がなくて他の誰かになりたいと悩んでいる人へ

  • 他人の目を気にしすぎてしまう
  • 自分に自信がなくて他の誰かになりたいと思うことがある

こんな悩みを抱えている人にとって、『嫌われる勇気』が救いになるかもしれません。

InstagramやtwitterなどのSNSで素敵な人生を送っている人を見つけたら、そんな誰かになりたいと思うこともあるでしょう。

『嫌われる勇気』は、そんな自分の思考を知り、他人の目を気にせず、自分らしく生きるためには、どう考えればいいのかを教えてくれます。

もう、他人からの“いいね!”の数を気にしなくていい。

他の誰かになりたいと思わなくていいんです。

自分らしく生きたいと思うなら、ぜひ一度『嫌われる勇気』を読んでみてください。

 

堅苦しい本が苦手な人へ

『嫌われる勇気』は、二人の登場人物による会話がベースとなったストーリー形式の内容です。

このため、一般的な書籍よりも理解しやすく、読みやすい内容になっています。

本が苦手という人や、心理学は難しそうと考える人にも理解しやすいでしょう。

 

『嫌われる勇気』は自分のために生きる勇気をもらえる。

物語に登場する青年は、自分に自信がなく悲観的で、欠点だらけに見える自分自身を嫌っています。

そんな青年に「今日から幸せになれる」と説く哲人から、他者の期待など満たす必要がないこと、他者の課題を切り捨ててもいいことを学ぶことができます。

例えば、哲人と青年の間にこんなやり取りがあります。

哲人「アドラー心理学では、他者からの承認を求めることを否定します。」

青年「承認欲求こそ、われわれ人間を突き動かす普遍的な欲求ではありませんか!」

青年は、他者からの承認を通じてこそ劣等感を払拭でき、自分に自信がもてる。その結果「自分には価値がある」ことを実感できると主張します。

他者からの承認を求めてしまう理由について哲人はこのように答えています。

「私たちは他者の欲求を満たすために生きているのではない」

「自分にはどうにもできない他者の課題まで、自分の課題だと思い込んでいる」

そして「課題の分離」の必要性について、次のように説きます。

  • 「選択によってもたらされる結末を最終的に引き受ける」のが「私」であれば私の課題、「私」でなければ他者の課題である。
  • 「私」ができるのは「自分の信じる最善の道を選ぶこと」だけであり、その選択に対する他者からの評価は「私」にはどうにもできない「他者の課題」である。
  • 他者の視線が気になるのは「課題の分離」ができていないことが原因であり、「課題の分離」をしなければならない。

こうして徐々に理解していく青年の姿を通じて、読者である私たちも学びを深めていくことができます。

 

『嫌われる勇気』の奥付き情報

  • ジャンル:心理学
  • 出版社:ダイヤモンド社
  • 出版年:2013年
  • 著者:岸見一郎(きしみ・いちろう)、古賀史健(こがふみたけ)

岸見一郎

哲学者。1956年京都生まれ、京都在住。高校生の頃から哲学を志し、大学進学後は先生の自宅にたびたび押しかけては議論をふっかける。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。専門の哲学(西洋古代哲学、特にプラトン哲学)と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。精力的にアドラー心理学や古代哲学の執筆・講演活動、そして精神医院などで多くの"青年"のカウンセリングを行う。日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問。訳書にアルフレッド・アドラーの『個人心理学講義』『人はなぜ神経症になるのか』、著書に『アドラー心理学入門』など多数。本書では原案を担当。

古賀史健(こが・ふみたけ)

フリーランスライター。1973年生まれ。書籍のライティング(聞き書きスタイルの執筆)を専門とし、ビジネス書やノンフィクションで数多くのベストセラーを手がける。臨場感とリズム感あふれるインタビュー原稿にも定評があり、インタビュー集『16歳の教科書』シリーズは累計70万部を突破。20代の終わりにアドラー心理学と出会い、常識を覆すその思想に刺激を受ける。その後何年にもわたり京都の岸見一郎氏を訪ね、アドラー心理学の本質について聞き出し、本書ではギリシア哲学の古典的手法である「対話篇」へと落とし込んだ。単著に『20歳の自分に受けさせたい文章講義』。

 

『嫌われる勇気』のあらすじ、要約

古都のはずれに、「世界はどこまでもシンプルであり、人は今日からでも幸せになれる」と説く哲学者(哲人)がいました。

哲人の説に納得のいかないある青年は、哲人を訪ね、その真意を問いただそうとします。

多くの悩みを抱える青年にとって、世界は矛盾に満ちた混沌としか映らず、ましてや幸せなどありえなかったのです。

これに対して哲人は、ギリシア哲学と地続きにある思想・哲学であるアドラー心理学の見地から、青年の主張に向き合うのでした。

 

なぜ「人は変われる」なのか

「人は変わりたくても変われない」。
だからこそ誰もが変わりたいと願うのだと、青年は哲人の説に異論を唱えます。

そこで哲人は、アドラー心理学の「原因論」と「目的論」の話でこたえようとします。

アドラーの心理学では、何か原因があって今の自分が変われないという原因論の考え方をしません。

私たちはみんな、なにかしらの「目的」に沿って生きています。

今の自分が変われないのは、「変わらない」ことを決めた何か目的があるからです。

「われわれは過去の経験に「どのような意味を与えるか」によって、自らの生を決定している。

人生とは誰かに与えられるものではなく、自ら選択するものであり、自分がどう生きるかを選ぶのは自分なのです。」

だから、その目的を決めるのも、変えることができるのも自分。

なぜそうなったのか、過去の「原因」を考えるのではなく、今の「目的」を考えるのだと哲人は言うのでした。

 

アドラー心理学は、勇気の心理学

青年が変われないのは、自らに対して「変わらない」という決心を下しているからだと言う哲人。

青年は自分が変わりたいと思っているのは本心なのに、「変わらない」と自分が決めているなんて筋が通らないと反論します。

これに対して哲人は、次のように応じます

人は、いろいろと不満があったとしても、「このままのわたし」でいることのほうが楽であり、安心なのです。

(中略)

ライフスタイルを変えようとするとき、われわれは大きな"勇気"が試されます。変わることで生まれる「不安」と、変わらないことでつきまとう「不満」。きっとあなたは後者を選択されたのでしょう。

中略

アドラー心理学は、勇気の心理学。

(中略)

あなたが不幸なのは、過去や環境のせいではありません。ましてや能力が足りないせいでもない。あなたには、ただ"勇気"が足りない。いうなれば「幸せになる勇気」が足りていないのです。

このようにして、青年が哲人の説に異を唱えるたびに、哲人はそれにこたえていくのです。

そして青年と哲人の対話は四夜にわたります。

「心理学の三大巨頭」と称される、アルフレッド・アドラーの思想を、青年と哲学者との対話の物語形式でまとめられた『嫌われる勇気』。

「どうずれば人は幸せになれるのか」という問いに対して、シンプルかつ具体的に、答えを教えてくれます。

 

『嫌われる勇気』のamazon口コミ、感想を解説

Amazonでは、レビュー数3000以上、★4.3の評価を得ている作品です。

良い口コミのなかでは、「自分を取り戻せた」「自分の人生を生きる勇気が得られる」といったものが多いです。

『嫌われる勇気』は、他人の人生ではなく自分の人生を生きるために役に立つことが、得られる内容になっているといえます。

「青年のセリフにクセがあり、読みにくい」「机上の空論だ」といった口コミもあります。

哲人に反抗する青年の口調は、「冗談じゃありません!」「ははっ大きく出ましたね!」といった感じなので、その話し方を苦手と感じる人もいるかもしれません。

また文中で、青年が哲人の話を「厳しい」「劇薬だ」と表現しているように、自分の根底を覆されるような話なので、「机上の空論」と捉えた方がいても不思議ではありません。

ですが、一方でこんな口コミもあります。

人生の攻略本

1回読んだだけでは全てを理解することは自分にはできないけれど、人生の攻略本(の一つ)だ!と感じました。学ぶことが多いです。青年にはイライラすることもあったけれど、途中から読者が感じる疑問や反論を青年が代わりにやってくれてるんだろあなぁと感じて青年ありがとう!って思いました(笑)また読もうと思います。本って素晴らしい。自分がただ生きてるだけでは学べなかったことを本で学べるのだから。次生まれてきた時も読みたい。

 

承認欲求からの解放を助けてくれる一冊

僕は、承認欲求に苦しんでいましたが、この本で救われました。何をしても、満たされない。SNSなどに、他人からの承認欲求を求めてしまうなど、、そんなことに悩まされていました。この本を読んで、そんなしがらみからも解放されました。同じ悩みを持っている方に、是非、一読をお勧めしたいです。 ほかのアドラー本も読みましたが、そのエッセンスも、この本には、凝縮され、わかりやすい点も、魅力的です。 僕を変えてくれた一冊です。 こうしたレビュー書いたことがありませんでしたが、僕が感じていた同じ悩みのある方に、一助となればと思い、コメントいたしました。

青年の存在は、この本を楽しむための一つのエッセンスになっており、本書の内容は信じがたい机上の空論かもしれませんが、読んだ人を気持ちの面で、助けてくれるともいえます。

ネットが進化して、いつでもどこでも他人の人生を見ることができ、自分の人生と比べることができる。

『嫌われる勇気』はそんな時代だからこそ、私たちにとって必要だといえるのではないでしょうか。

 

『嫌われる勇気』のオーディオブック、電子書籍、映画化、漫画版有無

『嫌われる勇気』は、紙の書籍、電子書籍、オーディオブックで楽しむことができます。

  • オーディオブック有
    Audible:有
    audiobook.jp:有
  • 電子書籍:有
  • 映画化:有 ※本書を原案に刑事ドラマ化された作品有り。
  • 漫画版:無

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