Think CIVILITYの書評をご紹介します。
Think CIVILITYの書評:こんなひとにおすすめ
Think CIVILITYは以下のような人におすすめします。
- 管理職やリーダー的な立場にあるひと
- 成功したいひと、仕事で成果を出したいひと
- よりよく生きたいと感じているひと
それぞれ解説していきます。
管理職やリーダー的な立場にある人に
『Think CIVILITY』はリーダーに必要な「礼節」にまつわるエピソードや、成功・失敗事例がデータとともに数多く挙げられています。
本書は、
- 働くひとが気持ちよく仕事をして、
- 大きな成果を出せる、
- なおかつ明るい職場や企業文化
をつくりを支援したいという著者の経験や研究に基づいて書かれています。
『部下や顧客にどのように接すればいいんだろう』
『どうしたらより良い職場関係を築けるのか』
といった悩みについて、たくさんのヒントが見つかるでしょう。
※「CIVILITY:礼節」の意味については「あらすじ」の章で解説しています。
成功したい人、仕事で成果を出したい人に
「礼節ある人は出世が早い。仕事で優れた業績をあげる可能性が高い」
と著者は断言します。
- 礼節ある人には声がかかりやすい、つまりチャンスが多い
- 幅広い人脈を築くことができる
- 同僚や上司から「リーダーにふさわしい」と評価される可能性が上がる
この結果、出世が早くなるというのです。
「礼節ある行動」は、誰にでもできると思うかもしれません。
ところが、礼節ある行動が成功につながることはイメージしにくいものです。
本書には、そのような礼節ある人になる方法が具体的例とともに紹介されています。
礼儀正しさを身につけたい人へ
「礼儀正しさを身に着けたいけどどうやっていいかわからない」
Think civilityはそんな悩みを抱えている人にピッタリです。
礼節にまつわるエピソードや具体例が数多く紹介されているので、とても分かりやすい内容になっています。
ここまで「礼節」について掘り下げた本は他にはあまりありません。
Think CIVILITYの書評:こんなことが学べる
無礼な人にかかるコストがわかる
本書によると、職場のストレスでアメリカ経済にかかるコストは年間5000億ドルにものぼるそうです。
「仕事上のストレスが原因で毎年5500億日もの就業日が失われ、職場で発生する事故の60~80パーセントはストレスが原因」
事故や休業に関わるコストをはじめとするストレスケアは莫大なコストがかかることがわかります。
無礼な人と接することはできるだけ避けたいものです。
それが毎日職場で接しなければならない人だとしたらなおさら。
「Think CIVILITY」は、無礼な態度の弊害をあらためて考えさせてくれます。
自分の態度について改めて見直す機会になる
無礼がもたらす弊害と礼節による利益がわかってくると、「自分の言葉や行動は礼儀正しいと言えるだろうか?」と気になってくるかもしれません。
今よりも自分の礼節を高めるにはどうしたらいいのか。
本書にはその客観的なヒントとして、「自分の行動における礼節度や無意識の偏見に対するチェックシート」がついてます。
客観的に自分の態度を知ることができるでしょう。
Think CIVILITYの奥付き情報
『Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』
(原書タイトル ”MASTERING CIVILITY A manifest for the workplace”)
ジャンル:ノンフィクション/ ビジネス
東洋経済新報社(2019年6月刊行)単行本 344ページ
著者:クリスティーン・ポラス
ジョージタウン大学マクドノー・スクール・オブ・ビジネス准教授
活気ある職場を作ることを目的とし、グーグル、ピクサー、国際連合、世界銀行、国際通貨基金、米労働省・財務省・司法省・国家安全保障局などで講演やコンサルティング活動を行う。その仕事は、CNN、BBC、NBC、MSNBC、CBS、ABC、『タイム』『ウォール・ストリート・ジャーナル』『フィナンシャル・タイムズ』『フォーブス』『フォーチュン』『ニューヨーク・タイムズ』『ワシントン・ポスト』など、世界中の1500を超えるテレビ、ラジオ、紙メディアで取り上げられている。共著に『The Cost of Bad Behavior』がある。
訳:夏目/大
1966年大阪府生まれ。同志社大学文学部卒業。大手メーカーにSEとして勤務した後、翻訳家に。
Think CIVILITYのあらすじ、要約
本書のタイトルにある “civility” は日本ではあまり聞き慣れない言葉です。
辞書によると“civility” の意味は
「(社会的規範を守った形式的な)丁寧さ、礼儀正しさ、礼節」
とあります。
本書はこの “civility” について、著者の20年にわたる研究の成果が記されています。
一部を紹介していきましょう。
CIVILITYとは何か、逆の立場から考える。無礼は何が問題か?
「civility:礼儀正しさ」の理解を深めるにあたり、逆の意味である「無礼」について考えてみましょう。
「無礼」とはどんな態度で、何が問題なのでしょうか?
たとえば次のような上司を想像してみてください。
- 部下を人前であざける、軽く扱う。
- 部下の仕事ぶりを常に過小評価し、組織の中での地位は低いと思い込ませる。
- 部下を心が傷つくほどひどくからかう
典型的なイヤな上司という感じですね。
無礼さの問題点はあきらかです。
多くの人は「まさか自分はこんな上司のわけがない」と思うのではないでしょうか?
しかし、ここで大事なのは「された側がどう感じたか」という部下側の視点なのです。
あなたの言動に対して部下がどう感じているかは、その部下本人にしかわかりません。
この例ほどではないにせよ、気づかないうちに無礼な態度をとっているかもしれないのです。
CIVILITYを欠く、無礼さによる悪影響
無礼な態度による問題は、周囲にストレスをあたえるだけではありません。
なんと「無礼な人はまわりの思考能力を下げる」という実験結果が報告されているのです。
本書で紹介されている事例によると、
- 無礼な態度をただ一度体験しただけで集中力が低下した
- 無礼な態度を連想する言葉を見ただけで認知能力が下がった
ということがわかっています。
気分を害するだけではなく、相手のパフォーマンスも落としてしまうとは驚きです。
CIVILITY:礼節を高めるメソッド
あらためて「礼節」とは何かについて考えてみます。
「無礼でなければ礼儀正しい礼節を守っている」という単純な話にはなりません。
著者は、相手を尊重し丁重に扱う言動で、周囲の人たちの気分をよくすることが大切と言います。
本書では、「礼節チェックテスト」や「礼節をチェックするための7つの方法」で自分の日々の言動を振り返り、改善できるようになっています。
礼節を高めて、自分にも周囲にも心地よい環境をつくれるようになりましょう!
他にも本書には「礼節ある会社になる4つのステップ」や「無礼な人に狙われた場合の対処法」といった章も用意されています。
職場だけでなく、普段の生活にも応用できる部分もたくさんあります。
ぜひ本書でチェックしてみてください。
Think CIVILITYのamazon口コミ。感想を解説
高評価(星5つ)の感想コメント
“リーダー必読の一冊
(中略)本書で書かれていることは多くのマネジメントの既成概念を覆すものであり、リーダー、マネジメント必読の一冊と云える。
“できるだけ多くの人に読んでほしい
(中略)この本に書かれている通りに実践できれば素晴らしいことだが、そこまでいかずとも、無礼な振る舞いがいかに周囲に悪影響を与えるものか知るだけでも立ち居振る舞いは変わると思う。(後略)
確かに、いままで「礼儀正しさ」はマナーの問題と考えられてきましたが、職場の生産性に関わることなのだと示した本書は、今後のマネジメントのあり方を変える存在になるかもしれません。リーダーだけでなくあらゆる人が本書を読んで自分の言動を見直すことで、職場や社会はどんどん良くなっていくでしょう。
低評価(星3つ)の感想コメント
“本来こういう本は、日本の文化を良く知る人が書くべきだと思う
(抜粋)同僚の前で吊るし上げるように暴言をぶつけられると心が折れそうになったことがある。私も「礼儀正しさ」というものが何かを改めて考えていたから、この本の前半はかなり頷けた。けれど、後半に関しては外資系ならともかく、日本人の多い企業で成立しえるかどうかの対策も多い。それは日本人の「作法」と外国諸国の「作法」には違いがあるからだ。
他には、
「前半のインパクト大。後半については日本人の作法には合いにくい部分も」
といった感想もありました。
著者はアメリカ人で、アメリカの企業・機関での経験をもとに書かれた本です。
本書で出てくる礼節を高める方法のうち「他人からフィードバックをもらう」や「できるコーチの指導を受ける」など、日本ではなかなか難しいと感じられる部分がどうしても出てくるでしょう。
しかしこのコメントを書かれた方は、
「とはいえもちろん全体としては共感でき行動に移していきたいと思えるものですので、リーダーに限らずより良く生きていきたいという方には一読の価値はあるかと思います」
と締めくくられています。
Think CIVILITYのオーディオブック、電子書籍、映画化、漫画版有無など
電子書籍
有:Kindle, 楽天kobo
オーディオブック
有:audible, audiobook.jp
漫画化
有:まんがでわかる Think CIVILITY
「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である
星井 博文, クリスティーン ポラス (著), maki (著)